根管治療Root Canal

根管治療とは

根管治療が必要な症状

歯の中心には歯髄腔と呼ばれる空間があり、神経・血管(歯髄)が存在します。虫歯が深く、強い痛みがある場合や、神経が細菌感染してしまった場合は根管治療が必要になります。すでに根管治療がされている歯でも、根の先に膿が溜まったり、細菌の再感染がある場合は再治療が必要になります。

痛みの原因

大きく分けて、歯髄の炎症による痛み(歯髄炎)と、根の先の炎症による痛み(根尖性歯周炎)に分けられます。
歯髄炎は、冷たい水がすごく痛んだり、何もしていなくても絶えず痛いと言った症状です。冷たい水などで痛みがジーンと30秒以上続くときも歯髄炎を疑います。根尖性歯周炎の痛みは、噛むと痛んだり、根尖相当部の歯茎を指で押すと痛むなどがあります。これが進行すると、何もしなくても強い痛みが続くこともあります。さらに放置すると、歯茎が腫れてきます。
いずれの痛み、炎症によって歯髄腔や根尖病変内部の圧力が高くなり、痛みの神経を刺激することで起こるとされています。

根管治療の具体的な治療方法

歯髄炎は炎症を起こした歯髄を除去する治療(=治療抜髄)を、根尖性歯周炎は、歯根内の汚染物質(感染した薬や内壁の感染歯質)を除去し洗浄する治療(感染根管治療)を行います。

歯の神経が残っている場合

抜髄

必ず麻酔を効かせて、神経を除去します。根管内部を洗浄したら防腐剤(根管充填材)を入れます。
歯の神経が残っていない場合

感染根管治療

必要に応じて麻酔を行い、まずは感染した根管充填材と歯質を可及的に除去します。よく洗浄した上で、根管充填材を入れます。
症状が収まらない場合 上記の非外科的治療を行っても症状が消えない場合は、歯茎に切開を入れ、根の先を外科的に切除する手術(歯根端切除術)を行うこともあります。

 

抜歯しなければならないケース

治療をしていて、歯に亀裂が見つかったり、治療しても症状が消えない場合は残念ですが抜歯をすることもあります。抜歯も重要な治療選択肢の一つです。

根管治療に用いる機器

マイクロスコープ

マイクロスコープが普及する前の根管治療は、手探りの治療でした。そのため、根幹(根の中の神経・血管の通り道)や、感染した歯質・根幹充填材の除去が十分に行えない事もありました。マイクロスコープが登場すると、手探りから視認の治療に変わり、根管や汚れが見つけやすくなり、治療の質の向上へ繋がりました。(治療成績もマイクロスコープ使用した方が高いという報告が多数あります。)結果として、治療効率が上がり回数も少なく済むことが多いです。保険診療にも積極的に取り入れています。

ラバーダム

唾液や呼気中の細菌が治療している歯に入ったり、消毒に使う薬液が口腔内に飛ばないよう、お口の周りにゴムのシートを張って治療を行います。保険点数はないため、追加の治療費が発生しないことから歯科医の良心と呼ばれています。

痛みに対する配慮

表面麻酔や電動麻酔器を使用することで、比較的痛くないように麻酔ができます。また、麻酔が奏功しない場合は、伝達麻酔と呼ばれる麻酔を行います。

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